の記事の中で、海外ローミング中の自分に他の誰かが電話をかけてくる場合、ダイヤルの仕方に注意が必要になることに触れました。

「 090-1234-5678 」番の携帯電話(スマートフォン)を日本からアメリカに持って行った場合、アメリカ現地の人が自分宛に電話をかける時は「 090-1234-5678 」とダイヤルしても電話がかからないという内容でした。

本記事では、そのダイヤルの仕方について補足します。

以下のようなケースで、ダイヤルの仕方を確認していきます。

自分の携帯電話番号は「 090-1234-5678 」番
(日本の通信会社の海外ローミングを利用)
アメリカの友人の携帯電話番号は「 212-123-4567 」番
(「212」はニューヨーク州のエリアコードの1つ)
(いずれも架空の電話番号です。)


自分がアメリカに渡航している時

(1) 自分からアメリカの友人宛の発信通話のダイヤルの仕方

 212 123 4567
 すなわち電話番号どおりにそのままダイヤルします。

(2) アメリカの友人から自分宛の着信通話のダイヤルの仕方
(実際にダイヤルするのはアメリカの友人の方です。)

 + 81 90 1234 5678  “ + ” プラスについては、脚注として、本記事の最後にご説明します。)
  または
 
011 81 90 1234 5678

 「81」の部分は “ 国番号 ” と言われるもので、国毎に異なる番号が割り当てられています。日本の国番号は「81」です。(因みにアメリカとカナダは国をまたがって統一的に番号が計画されてきたため、国番号はともに「1」で共通となっています。)

 「011」の部分は “ 国際電話識別番号 ” と言われるもので、国によって異なりますが、多くの国は「00」を採用しています。しかしながら、アメリカも日本も「00」を採用しておらず、アメリカの場合は「011」、日本の場合は「010」になっています。

  “ 国番号 ” や “ 国際電話識別番号 ” が出てきたことでお気づきかも知れません。

 ここで重要になってくることは、自分が友人宛にかけている電話は国内通話になっているが、友人が自分宛に電話をかけようとすると、国際通話になってしまうということです。(「81」という日本の国番号が入っているので、アメリカから日本向けの国際電話です。)

これを図にすると次の様になります。
ダイヤル2
自分から友人宛の電話は①の赤い線のようにアメリカ国内の通話として接続されますが、友人から自分宛の電話は②の赤い線の様にかけることができません。
友人から自分宛の電話は、国際通話として、いったん日本まで行って(③の青い線の部分)中継されて、アメリカに戻ってくる(④の青い線の部分)形で接続されます。

本記事では料金については詳しく扱いませんですが、③の部分は友人がアメリカから日本までの国際通話料金を負担することとなります。(友人が、利用しているアメリカの通信会社に料金を支払います。)
更に、④の部分については電話を受けた自分の方も、国際着信(転送)料金を負担しなければならなくなります。(こちらは自分の方が、利用している日本の携帯電話会社に料金を支払います。)

この様に、海外ローミング中の携帯電話に現地(渡航先国)の人が電話をかけようとすると、

・ローミング先(渡航先)国から、その携帯電話についている電話番号の国宛に国際電話をかけなければならない。

・ローミングしている自分の方も、自分の携帯電話についている電話番号の国から渡航先国までの国際着信料金を支払わなければならない。

という問題があります。


ところで、弊社で取り扱っております hellosim の場合ですが、hellosim はヨーロッパのラトビアの通信会社がサービスを提供しているため、ラトビアの携帯電話番号がついています。
( 「371 XXXX XXXX」 のような11桁の電話番号ですが、最初の「371」の部分はラトビアの国番号です。)

したがって、hellosim をアメリカに持ち込んで使用すると、アメリカの友人などが自分宛に電話をかけてくる時は、(日本ではなく)ラトビア向けに国際電話をかけることになります。

いずれにしても、
アメリカから日本向けの国際通話料とアメリカからラトビア向けの国際通話料
のどちらが安いのかが問題になるというより、アメリカ現地の人が自分宛に電話をかけようとすると国際電話になってしまう、ということが問題ではあります。

なお、hellosim をアメリカに持ち込んで使用している時に、hellosim 宛に電話の着信を受ける場合の着信料金は無料です。(この様な hellosim 宛の着信通話料金が無料になる国は、アメリカを含めて130ヶ国ほどあります。)

上に掲げた図は日本の携帯電話番号のケースですので、日本で中継されてアメリカに戻ってきますが、hellosim であれば、ラトビアで中継されてアメリカに戻ってきます。その際の国際着信(転送)料金の部分が無料になるという意味です。(ただし、相手側に国際電話料金を負担させてしまうことになるということは変わりません。)

後日別な記事で、現地の人に国際電話の負担をかけさせないようにして、自分宛の電話を受ける方法を考えてみたいと思います。

ご不明点やお問い合わせがございましたらsupport@hellosim.jp 宛にお願い致します。


脚注: 「+」(プラス)というのは、 “ 国際電話識別番号 ” の代わりの役目を果たすことができるため、渡航先国の “ 国際電話識別番号 ” が分からない時でも、わざわざ調べる必要はありません。

携帯電話であれば、どこかのキー(ボタン)に「+」が割り当てられています。一般には「0」(ゼロ)を長押しするか、「0」(ゼロ)を 2 度続けて押すと「+」が表示されるようになっている機種が多くみられます。

+」を “ 国際電話識別番号 ” のつもりで最初にダイヤルし、その後に国番号以下の番号をダイヤルしていきます。(市外局番の前の「0」ゼロを 1 つ除くなどの国際電話発信時の形式でダイヤルします。)

なお、「+」をつけると必ず国際電話になるという訳ではありません。

例えば、「 090-1234-5678 」番宛に日本国内の携帯電話から電話をかける場合、
普通は「090 1234 5678」と、そのままダイヤルするものですが、
「 + 81 90 1234 5678 」とダイヤルしても電話がかかります。

この時、電話をかける方(発信側)が日本に居る限りは国内通話として処理されます。
(逆に、電話をかける方(発信側)が海外に居る場合は、その滞在国から日本向けの国際通話として処理されます。)